5月「十三代目市川團十郎白猿」襲名 海老蔵が初春歌舞伎公演で新たな挑戦 



新年を寿ぐ歌舞伎公演で親子で競演する、右から市川海老蔵さん、堀越勸玄くん、市川ぼたんちゃん(左)=6日午後、東京都千代田区(鴨川一也撮影)
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 今年5月に「十三代目市川團十郎白猿(だんじゅうろうはくえん)」を襲名する歌舞伎俳優の市川海老蔵(えびぞう)(42)が、東京・新橋演舞場で3日に初日を迎える「初春歌舞伎公演」で新作歌舞伎に挑戦するなど、新しい門出にふさわしい演目を披露する。海老蔵としては最後の正月公演となる。

 「市川團十郎」は、江戸時代から続く歌舞伎の大名跡(だいみょうせき)。初代團十郎が豪快な演技様式「荒事(あらごと)」を創始するなど、團十郎家は江戸歌舞伎の軸となってきた。千葉・成田山新勝寺と縁が深く、屋号は「成田屋」。

 襲名披露公演は5~7月に東京・歌舞伎座で行われる。長男、堀越勸玄(かんげん)くん(6)も八代目市川新之助を名乗り、父親と同じ舞台で初舞台を踏む。

 初春公演を前に、海老蔵は襲名について「歌舞伎界にとっても、私自身にとっても大きなお役目と捉えている。今まで以上に責任が出てくるかもしれないが、懐が深い役者になっていきたい」と語った。

 また、父親の十二代目團十郎が襲名前に成田山新勝寺にこもったことから、自身も昨年12月、成田山で修行したことを明かした。「(修行をして)初めて初代團十郎という人の足跡が見えたのが、私にとっては宝物」と感慨深げだった。

 初春公演では、作詞家の秋元康が初めて歌舞伎の脚本、演出を手掛けた「雪蛍恋乃滝」と江戸歌舞伎らしい「め組の喧嘩(けんか)」で長男と共演するほか、お家芸の新歌舞伎十八番「仲国(なかくに)」を舞踊仕立てにして、日本舞踊「市川流」の市川ぼたんを昨年、襲名した長女(8)と2人で踊る。

 自身が出演する4演目について「先輩から継承するものが2つ、新しく創作するものが2つ。守っていく、攻めていく、伝えていく、挑戦するというさまざまな意味がある」という。

(水沼啓子)

 いちかわ・えびぞう 昭和52年、東京生まれ。十二代目市川團十郎の長男。58年5月、「源氏物語」の春宮(とうぐう)で初お目見得。60年5月、「外郎売(ういろううり)」の貴甘坊(きかんぼう)で七代目市川新之助を名乗り、初舞台。平成16年5月、「暫(しばらく)」の鎌倉権五郎(ごんごろう)ほかで十一代目市川海老蔵を襲名。



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