--五輪イヤーとなる令和2年の金融市場の見通しは
「日本株は割安な水準。海外投資家が保有していた日本株を売り、事業法人や金融機関の持ち合い解消も進んだため買われやすい状況だ。前半の株式市場のコンディションはかなりいいと思う。ただし、今年は米大統領選が控えているほか、米中貿易交渉の行方が定まっておらず、市場の不確実性は高まるだろう」
--4月1日付でのトップ交代を発表した。7年間の成果は
「平成24年8月の就任時に業績回復と財務の改善の2つの課題を掲げた。(評価の目安となる)1株当たり利益(EPS)や自己資本比率は回復できた。配当や自社株買いなどの株主還元にも取り組んだ。米リーマン・ブラザーズの一部買収などで発生したのれん代を一括処理し、過去のレガシーも清算した。いわゆる『メガトレンド』に合わせた形でビジネスプラットホームの再構築にも取り組んでいる」
--後任の奥田健太郎副社長に期待することは
「前を向いて全力で進める体制を整えた。3年間で1400億円のコスト削減目標のうちこれまでに約6割を実現させた。残りの約4割をきちんと実行してほしい。急な環境変化が起きても、彼なら対処できるだろう」
--個人向け営業は将来どんな姿になるか
「デジタル技術が進展し、証券会社の店舗を訪れる人は減り、少子高齢化や都市部への一極集中が進むといった大きな流れが変わることはない。それに合わせて当社は現在、顧客の属性やニーズに応じた営業担当者の見直しや店舗統合、非対面ビジネスの強化などに取り組んでいる。これらの取り組みの方向性が変わることは当面はないだろう」