【ニューヨーク=上塚真由】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は3日、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、保釈中にレバノンへ逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が日本を出国する際、音響機器用の黒い大きなケースに潜んでプライベートジェット機に乗り込んだと報じた。
同紙は、トルコ当局の捜査状況に詳しい情報筋の話として伝えた。ゴーン被告の脱出には、米民間警備業者の男性2人が同行していたとしている。
ゴーン被告を乗せたジェット機は12月29日夜に関西国際空港を離陸し、30日朝にトルコ・イスタンブールの空港に到着。ゴーン被告は空港で強い雨の中、90メートルほど車で移動し、小型ジェット機に乗り継いで同日中にレバノンに到着した。
関係者によると、被告が利用した2つのジェット機を貸し出したトルコの民間航空会社MNG航空がフライト後に、2つの黒いケースを発見。うち1つにはスピーカーが入っていた。
MNGの従業員は捜査当局に調べに対し、黒いケースが脱出のために使われたと供述しているという。
一方、被告に同行した警備業者2人のうち1人は元陸軍特殊部隊員で、民間の警備業界では知られた存在だった。ゴーン被告の脱出に先立ち、2人はドバイからプライベートジェット機に乗り、関西国際空港に12月29日午前に到着。ドバイから黒いケース2つが搭載された記録が残っているという。