【香港=藤本欣也】中国本土との境界に近い香港・新界地区の上水で5日、転売目的で“爆買い”する中国本土の買い物客たちに抗議する集会が行われた。引き続き、若者ら約1万人(主催者発表)が「転売する中国人を追い出せ!」「愛国心があるなら(中国本土で)国産品を買え!」などと叫びながら商店街をデモ行進した。終了後、現場に残っていた40人以上が不法集会の疑いなどで警察に拘束された。
ふだんならスーツケースを引きずりながら歩く中国人客でにぎわう商店街も、この日はシャッターを下ろす店がほとんどで、中国人客の姿も街から消えた。
上水では“爆買い”に伴い、日用品などの物価が高騰。集会・デモを主催した民主党の林子●(王へんに京)北区議会議員は「レストランの値段は香港島の中心部と変わらないほど高い」と指摘する。
商店街では中国人客目当ての薬局や化粧品店が増えた。上水に住む44歳の女性は「もうかっているのは一部の店。住民は暮らしが不便になった」と話した。
それでも最近は抗議活動の高まりを受け、上水に来る「中国人客数が半減」(香港紙)し、化粧品店などの閉店も相次いでいる。