今年、中国の習近平国家主席の国賓としての来日を控える中、産経新聞の主要118社アンケートではアジアの中核的な金融センターである香港情勢などへの見解も尋ねた。民主化デモが激化する香港について、中国政府に平和的解決を要請するなど日本政府が主体的な行動を取るべきだと思うかとの問い対し、「そう思う」との回答は10%にとどまった。
「あくまで中国国内の問題であり干渉できる立場にない」(商社)など、行動を取るべきだとは「思わない」と答えた企業は13%。
最も多かったのは「その他」で41%。回答の具体的理由を尋ねると「中国は日本にとって大きな顧客であり、日中関係が悪化した場合、経済的マイナスの影響は避けられない」(保険)など日本政府に慎重な対応を求める声が多かった。
安倍晋三首相は令和元年10月に王岐山国家副主席、11月に李克強首相と会談し、香港問題について平和的解決を求めている。このため、行動を取るべきだと答えた企業からは「継続的な働きかけが望ましい」(商社)、「国際社会が納得する原理原則で、首尾一貫した行動を取るべき」(銀行)との注文が出た。
香港問題では「香港路線の旅客数減少」(空運)、「デモで店舗休業が発生」(外食)など業績や業務に影響が出た企業もあるが、割合は13%止まり。「香港での事業規模は小さい」(建設)などの理由で64%は影響がないと答えた。
一方、日韓関係の悪化で業務や業績に「影響が出ている」「今後影響が出る見込み」と答えた企業は合計21%で、「出ていない」は65%だった。関係改善に向け日本政府が取るべき対応では「常に『対話』を続けることが必要」(飲料)など、事態の収束に向けた努力を望む声が目立った。
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