奈良市の帝塚山学園第2グラウンドで4月10日に落雷があり、部活動中の複数生徒が倒れるという事故が発生した。
学校の発表によれば、夕刻午後5時50分ごろに小雨が降り始め、いったん止み、強い雨が降り始めた直後に落雷があったという。事故発生当時はサッカー部など複数の部活動の生徒合計114人と顧問教員等8人が現場にいた。
直後に現場に来た教員等2人がそれぞれ119番通報、現場でAEDを使用し、心肺蘇生を施した。その後6人の生徒が救急搬送され、3人は保護者の付き添いで当日中に帰宅、3人は入院したという。
その後4月18日の報道によれば、入院中とされていた男子中学生3人うち1人は16日から登校して2人が入院中。1人は意識を回復し治療中だが、1人はその後も意識不明の重体という。
自然の驚異とはいえ何とも痛ましく、筆者も人の親として心中察するに余りある。筆者はその後の情報を得られていないが被災者の一刻も早い心身の回復を願うばかりである。
学校の責任はどこまでか
この事故について多くのメディアが学校の会見を含めて詳細に報道しているが、やはりその焦点となるのは、学校の対応は適切だったのかという点である。筆者は今回の事故を学校における自然災害事故と部活動中の事故という2つの側面から見る必要があると考える。
学校はこの事故について、12日に会見を開き、当時の状況を説明している。(「奈良の落雷事故、顧問ら注意報認知せず 学校側が会見」 日本経済新聞)
まず、学校の責任を問われ、それについては認める一方で「当日は急激な天候の変化が起こり、防ぎきれなかったと考えている」とある面では反論している。また、すぐ教員がAED対応していることを踏まえ、「顧問の動きとしてはやれる限りのことはやっていたと思う」と述べている。
ただ、現場にいた顧問教諭らは雷注意報が出ていたことを把握していたかと問われ、「野球部の顧問教諭1人は認識していたが、(他の部の)顧問は把握していなかったと聞いている」と回答している。