兵庫県尼崎市が本拠の指定暴力団任侠(にんきょう)山口組が、組名称から山口組を外し「絆會(きずなかい)」に変更したとの情報を警察当局が把握していることが12日、捜査関係者への取材で分かった。平成27年以降、山口組は3組織に分裂し互いに対立。組織間の勢力関係の変化が名称変更の背景にあるとみられ、警察当局が慎重に動向を調べている。
27年8月に山口組2次団体の直系組長13人が離脱し神戸山口組を結成。29年4月には神戸山口組を離れた勢力が任侠団体山口組(現任侠山口組)を立ち上げた。昨年以降、山口組と神戸山口組の対立抗争が激化し、死傷者が相次いだことから、1月7日には両組織が特定抗争指定暴力団に指定され、6府県で活動が厳しく制限されている。
捜査関係者によると、任侠山口組は組織内部で会合を開き、12日付で組の名称を「絆會」に変更。任侠側はこれまで山口組への復帰を目指したが、今回の名称変更で断念したとの情報もある。
警察当局では、当面の間は従来の組名称のまま指定暴力団の指定を続けるとみられ、名称変更に関する取り扱いについては今後検討するとみられる。