【香港=藤本欣也】香港で19日、香港政府や中国共産党への抗議集会が行われ、主催者発表で約15万人が参加した。市民らは国際社会に対し香港の問題に介入するよう要請、香港への支配を強める中国に対する制裁の実施などを求めた。
今月11日に台湾で総統選が行われて以降、香港でも9月の立法会(議会)選などで民主的な選挙の実現を求める声が高まっている。この日は総統選後、最大規模の抗議活動となった。
主催者の民主派団体は当初、デモ行進を予定していたが、香港警察は、香港島中心部での集会のみを許可した。警察は集会が始まってから約1時間半後に、会場で「暴力事件が起きた」などとして集会の中止を通告、催涙弾を相次いで撃ち込んだ。主催した民主派活動家を扇動などの容疑で逮捕したほか、若者ら多数を拘束した。
反政府活動では、抗議の色である黒のマスクをする若者が多いが、この日の集会には青や緑の一般のマスクを着用した参加者がいつもより多かった。
中国・武漢で発生した新型肺炎の感染を予防するためとみられ、女子中学生(14)は「(患者数など)中国が発表する情報は信じられない。とても心配しているが、自分で自分を守るしかない」と話していた。