「高島屋東別館」リニューアルオープン インバウンド取り込みへ一新





ツインルーム。堺筋沿いの外観を飾る11連アーチのひとつが部屋から楽しめる=大阪市浪速区(田村慶子撮影)
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 高島屋は20日、リニューアル工事が終了した「高島屋東別館」(大阪市浪速区)を報道関係者に公開した。中国で知名度の高いシンガポール系のホテルチェーンを核テナントに誘致し、高島屋の歴史を紹介する史料館も多言語対応させるなど、訪日客の取り込みを加速させる。

 18日に先行開業した中長期滞在型ホテル「シタディーンなんば大阪」(全313室)は地上9階、地下3階の1~7階に入り、4割強に当たる延べ約1万7千平方メートルを占める。既存のアールデコ調装飾を生かしつつ、フロントや壁面に、近隣の高島屋大阪店(中央区)で販売中の商品をショーケースのように飾るなど“デパートメントホテル”をテーマにした。

 この日の開業記念式典で高島屋の村田善郎社長は「百貨店を感じながら観光を楽しんでもらえる建物。地区を盛り上げるランドマークとしたい」と述べ、ホテル誘致による大阪店の販売拡大に期待を示した。

 ホテルを運営するのはシンガポール不動産大手、キャピタランドグループの子会社。「シタディーン」ブランドは東京や京都に次ぎ国内4店目となる。

 同社は13ブランドのホテルを全世界30カ国で約6万7千室を展開。今後、日本では福岡や横浜にも出店を計画している。キャピタランドのリー・チー・クンCEO(最高経営責任者)は「大阪、日本に限らず海外でも一緒に展開したい」と高島屋との提携拡大の可能性に言及。村田社長も「東南アジアを中心に機会があれば」と応じた。

 20日に営業を再開した高島屋史料館は、面積を1・2倍の約1500平方メートルに広げ、ホテルに泊まる訪日外国人も楽しめるよう多言語対応した。収蔵品(約5万点)は従来と同じだが、日英2カ国語表示のタッチパネル式モニターを導入したほか、手持ちのスマートフォンでも英語や中国語など5言語で解説が読める。

 一方、東別館1階の空きスペース約1300平方メートルには、今春をめどにフードホールのテナントが入居する予定だ。



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