立憲民主党の福山哲郎、国民民主党の平野博文両幹事長は21日、国会内で会談し、両党の合流を当面見送る方針で一致した。国民の党内論議で、早期合流に慎重な意見が大勢を占めたことを踏まえた。両幹事長は当面、現在の野党統一会派の枠組みで国会での共闘や選挙協力を深めることを確認したが、今後の連携には禍根を残した。
福山氏は会談後、記者団に「両党の事情で残念ながら折り合わなかった」と述べる一方、幹事長間の交渉で合意に至った項目については「ご破算に戻すつもりはない」とも強調した。両党の対立が根強いために別々に開かれている参院議員総会の合同開催などを提案したことも明らかにした。
立民側は立民が法的に存続する形での合流や、党名を「立憲民主党」とする条件を示し、通常国会召集日の20日までに可否を決めるよう求めていた。国民では衆院を中心に早期合流を求める声があったが、玉木雄一郎代表らは事実上の吸収合併になるとして党名の変更などを主張し、協議継続を訴えていた。
合流見送りを決定的にしたのが20日夜、国民が開いた両院議員総会だった。
出席者によると、早期合流派の津村啓介副代表が「立民と党首会談を行い、合流の基本合意を行う」との決議案を提出。ただ、津村氏が事前にツイッターに投稿したことがやり玉にあがり「これから話し合う内容をネットで公開するような人が決議案を出せるのか」(川合孝典参院議員)などと批判が続出した。
これに対し、早期合流派の後ろ盾である小沢一郎衆院議員の側近、森裕子参院議員が「新潟や岩手では早く合流すべきだという声が多い」と津村氏を援護射撃した。ここでも川合氏が「全国幹事会では両県連とも慎重だった」と反論した。最後は決議案を議題として扱うべきか、挙手による採決となり、賛成19、反対28、棄権6の反対多数で否決され、約4時間にわたる総会が終了した。
こうした野党のドタバタ劇を、与党は冷めた目で眺めている。自民党の二階俊博幹事長は21日の記者会見で「合流をされようが、合流をされないでおられようが、どうぞご自由に」と突き放すように語った。(千葉倫之)