【衆院代表質問】「IR」「桜」野党攻めるも…首相は安全運転





衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党・枝野幸男代表。後方は安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相=22日午後、国会(春名中撮影)

 20日の衆院本会議の代表質問で、野党はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の凍結・廃止を訴え、首相主催の「桜を見る会」の問題を改めて追及した。ただ、政府はIRの選定基準に関する基本方針の決定時期を先送りする方向で、安倍晋三首相もこの日は丁寧に議論を進める姿勢を強調し、安全運転でかわした。

 代表質問で立憲民主党の枝野幸男代表は「今国会はカジノ国会だ。(野党提出のIR整備推進法とIR整備法を廃止する法案を)速やかに成立させるべきだ」と首相に迫った。IRをめぐっては、担当の内閣府副大臣だった秋元司衆院議員が収賄容疑で逮捕されただけでなく、他の自民党議員にも現金授受疑惑が浮上している。

 野党には、IRを通じて政権を追い込みたい思惑があり、国民民主党の玉木雄一郎代表も「疑惑にまみれたIRの推進を凍結すると宣言すべきだ」と同調。自治体がIRの候補地などを選定する際の前提となる基本方針について「今月にも決定するとのことだが、やめるべきだ」と主張した。

 これに対し、首相は「高い独立性を有するカジノ管理委員会や国会での議論も踏まえつつ、丁寧に策定作業を進めている」と説明。政府は既に決定を来月以降に先送りする方針を固めており、野党の追及は肩透かしを食らった形だ。

 枝野氏は首相主催の「桜を見る会」の招待者選定や招待者名簿に関する公文書管理も批判。しかし、政府は国会開会前の17日、招待者名簿を行政文書の管理簿に記載していなかった問題などで歴代の人事課長を処分。首相は昨年の招待者名簿に関する再調査に関して「必要な調査を行った結果、既に廃棄されたと確認している。改めて調査を指示することは考えていない」と述べるにとどめた。

 答弁中、首相が議場からのヤジを笑顔でかわす一幕もあるなど、この日は安定感が目立った。とはいえ、政権は公選法違反疑惑で辞任した元閣僚2人らの問題も抱えている。代表質問に立った自民党の二階俊博幹事長はこう首相に語りかけた。「政治を行うに際し、大切なことは『謙虚』『丁寧』であり続けることだ」

(田村龍彦)



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