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恋愛映画の金字塔「男と女」（１９６６年）から半世紀余り。主人公のアンヌとジャン・ルイの晩年を描いた「男と女 人生最良の日々」が日本で公開される。クロード・ルルーシュ監督（８２）が、“奇跡”のように紡がれたこの映画について語った。（水沼啓子）
主人公を演じたアヌーク・エーメ（８７）とジャン＝ルイ・トランティニャン（８９）が、年齢を重ねた姿で再びスクリーンに登場する。音楽は、あの「ダバダバダ…」のスキャットで始まる「男と女」のテーマ曲を手掛けたフランシス・レイ（一昨年死去）。本作のために完成させた２曲が最後の作品となった。
「主役の２人が５０年たっても生きていて、『男と女』の５０周年記念パーティーで会っているのを見て、現在がいかに重要かということを感じた。この映画は現在、そして愛に対するオマージュ。８０歳でも恋愛をするし、愛に生きることができる」と話す。
主人公の２人が再会するシーンは、自然に描くためリハーサルなしで撮影された。監督自身、このシーンには涙したという。「愛の強さを示す最も重要なシーンで、うまくできるかどうか最も怖かったシーンでもあった」と振り返った。
監督がいちばん気に入っている場面は「２人で車に乗って再出発していく最後のシーン。まるで若者同士という感じ。この映画自体が前向きでポジティブな作品なんだ」と語った。
ジャン・ルイは、若い頃はプレーボーイで数多くの恋愛を経験したという設定だ。年老いて過去の記憶が薄れる中、別れた恋人のアンヌのことだけは覚えている。
「本当に大恋愛した場合のみ、治癒されていない病のように心に痕が残る。それが愛の大きな力だ。ジャン・ルイにとって５０年以上かけて、ようやくアンヌが大恋愛の相手だったことに気がつくんだ」。“愛の伝道師”と称される監督らしい言葉が返ってきた。
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３１日から東京・ＴＯＨＯシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマなどで全国順次公開。１時間３０分。
【あらすじ】
施設で余生を送る元花形レーサーのジャン・ルイは過去の記憶が徐々に失われる中、別れた恋人アンヌのことは覚えていた。ある日、２人は再会するが、目の前の高齢女性がアンヌと気づかないジャン・ルイは、アンヌへの思いを話し始めた。いかに自分が愛されていたかを知ったアンヌは、ジャン・ルイを連れて思い出の地へと車を走らせる…。
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