安倍晋三首相は23日、首相官邸で開いた総合科学技術・イノベーション会議に登場したアバター(分身ロボット)と名刺交換した。2050(令和32)年までに多数のアバターが人間の代わりに働く社会の実現などを目指す政府の「ムーンショット型研究開発制度」をPRする狙いがある。
アバターは、ロボットベンチャーのメルティンMMI社(東京都中央区)が開発した。同社の担当者が操作するアバターが「指」を器用に動かしながら首相に名刺を渡すと、首相もアドリブでポケットから名刺を取り出してアバターに手渡した。
首相は「ドキドキしたが、政治の世界では握手と名刺交換は基本。将来、われわれの世界でも手伝ってもらいたい」と語った。
会議ではムーンショット型の6つの研究目標を正式決定した。5年間で1000億円以上を投じ、今夏にも研究を始める。