首相、笛吹けど…改憲議論なお停滞 与野党温度差 代表質問終了





参院本会議で答弁を行う安倍晋三首相=24日午後、国会(春名中撮影)

 衆参両院で3日間行われた各党代表質問で、安倍晋三首相は憲法改正に向け、国会での議論の進展を重ねて呼びかけた。ただ、立憲民主党などの主要野党に協議に応じる気配はない。肝心の与党の公明党も静観姿勢が際立っており、今国会でも進展の兆しは見えていない。(田村龍彦)

 「憲法審査会で議論を重ね、国民の理解を深めていくことが国会議員の責任ではないか。改正の中身について、与野党の枠を超えた活発な議論が展開されることを強く期待している」

 首相が24日の参院本会議でこう訴えると、議場から拍手が起きた。改憲派の日本維新の会・片山虎之助共同代表が状況打破には国民に信を問うしかないと持ち掛けると、「信を問うべき時が来たと考えれば、解散・総選挙を断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」と応じた。

 首相の自民党総裁任期は来年9月まで。任期中の改憲には、手続きを定めた国民投票法改正案を一刻も早く成立させ、改憲の具体的な中身の議論に入る必要がある。しかし、主要野党が乗ってくる気配はない。

 22日に質問した立民の枝野幸男代表は「桜を見る会」の問題について批判したが、改憲には一度も触れなかった。国民民主党の玉木雄一郎代表も9条改正などの自民党案を「憲法審の円満な議論のため取り下げてはどうか」と提案した。

 首相と自民にとって、より頭が痛いのは、連立を組む公明で改憲の機運が高まっていないことだ。質問に立った山口那津男代表と斉藤鉄夫幹事長は改憲に言及しなかった。山口氏は理由について記者団に「憲法審で議論が深められる道筋が大事だ。あえて触れるまでもない」と語った。

 公明は来月にも国民投票時のCM規制を党憲法調査会で議論するが、改憲案を議論する雰囲気は乏しいままだ。



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