谷内正太郎前国家安全保障局長は24日のBSフジ番組で、ロシアとの北方領土問題を含む平和条約締結交渉に関し、ロシア側が領土問題を盛り込まない形で無条件の条約締結を求めていると明らかにした。締結後に領土問題を協議する2段階論を主張していると説明した。谷内氏は昨年9月に退任するまで対露交渉に携わっていた。
谷内氏はロシア側の主張について「まず領土について何も書いていない平和条約を結んで、その上で領土問題を議論しようという2段階論だ」と説明。ほかに(1)第二次大戦の結果として北方領土が正式にロシア領になったと日本が認める(2)日本に駐留する全ての外国軍隊の撤退-を要求していると述べた。
その上で今後の交渉について「なかなか展望は開けない。何らかの前進を見るためにほかにやることがあるのかというと、ない」と断言した。