【ロンドン=板東和正】英政府は28日、次世代通信「5G」で中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製品の使用を限定的に認めると発表した。同日に開催した安全保障会議で正式に決定した。
トランプ米政権は安全保障上の理由で華為製品の完全排除を同盟国に強く働きかけているが、これに応じない形になった。欧州連合(EU)からの離脱後に始まる米国との貿易交渉に影響を及ぼす可能性が指摘されている。
英政府は同日、ネットワークの安全を維持する方法として、華為製品を5Gネットワークの中核部分から排除するとした上で、非中核部分に限って採用する方針を示した。原子力発電所や軍事施設など安全保障上重要な通信網から排除するという。
しかし、華為製品は低コストであることなどから、すでに通信事業者が英国でアンテナなどに利用しており、英政府は完全排除は困難と判断したとみられる。
ジョンソン氏が、テレビ番組で華為のスマートフォンを用いて「自撮り」する様子が放映されていたほか、華為の使用をめぐり「肝心なのは消費者の利益」とも発言している。