東日本大震災で大きな被害に遭った岩手県釜石市で2日、市街地から高台の寺まで駆け上がる「韋駄天競走」が行われた。「津波が来たらすぐ高台へ避難する」という意識を根付かせる狙いで、男女計120人が、坂道を全力疾走した。
コースは、震災時に津波が到達した地点から、避難場所に指定されている仙寿院までの286メートルで、高低差は約26メートル。沿道から声援が送られる中、参加者は男女別や親子連れなど6部門に分かれて1位の座を争った。
平成26年から毎年開催。4回目の参加だという釜石市の会社員、高橋直樹さん(40)は、震災後に生まれた息子(7)と娘(2)ら家族4人で走り、「震災を知らない子供たちに、日頃から津波避難の意識を持ってほしい」と話した。