【中国人“排斥”集会】韓国に蔓延る“新型肺炎”中国人排斥のリアル「コンビニ立入禁止」「BTSコンサートに来ないで」中国人は反発[2/6]
韓国でも中国発の新型コロナウイルスが猛威を振るっている。韓国を訪問した中国人は2019年には500万人にも及ぶ。国別の観光客ではトップだ。人の行き来の盛んな両国だけに、旧正月が迫った1月下旬、新型コロナウイルスの問題がニュースを賑わすと、ソウル中心部の観光地である明洞や光化門、江南に異変が起きた。
「繁華街の人通りがめっきりと減り、通行人のほとんどがマスク姿となりました。さらに、明洞などの繁華街のレストランやコンビニなどに、『中国人立入禁止』の張り紙が貼られはじめたのです」(現地記者)
飲食店の従業員らは「中国人の団体観光客がたくさん来れば、他の利用者が新型コロナウイルスに感染する可能性が高い」「食事に来た中国人一人一人に武漢から来たかどうか確認する方法はない」などと主張したが、当然ながら韓国に住む中国人たちからは反発が相次いだ。
さらに新型コロナウイルスをめぐって、中国人と韓国人の暴行事件まで発生している。
ソウル麻浦警察署によると、1月29日午前1時30分ごろ、ソウルの弘大入口駅の近くの路上で、中国人4人と韓国人3人の小競り合いが起き、双方が暴行容疑で取り調べを受けたという。
きっかけは、韓国人たちが「中国人ならマスクをつけて歩け」「肺炎をうつさずに中国へ帰れ」などと中国人に言い掛かりを付けたこと。言い争いになり、中国人の1人が韓国人に暴力を振るい、韓国人グループも中国人を取り押さえる騒ぎに発展した。
同日には、ソウル市内で「中国人の入国禁止」を要求する集会も開かれた。大統領府近くの道路で保守派団体会員らが集結し、団体の代表が次のように中国を批判した。
「SARS(重症急性呼吸器症候群)、PM2.5に続き、今やウイルスまで吹き飛ばす中国のせいで、生きていけなくなってしまう。中国は有史以来、韓国の友人だったことが一度もない国だ」
このような考えは、決して一部の特殊な人々の思いではない。
大統領府が開設するオンラインの国民請願掲示板には1月下旬から「中国人の入国禁止」を要請する書き込みが相次ぎ、2週間ほどで68万人を超える賛同が集まっている。この掲示板は、20万人以上の署名が集まると政府は何らかの回答を示す必要がある。
新型コロナウイルスの混乱は、韓流アイドルにも波及している。
4月にソウル蚕室総合運動場で行われる防弾少年団(BTS)のコンサートに「中国人が大量に押し寄せてくる」という危惧から、「中国人の入場禁止」を求める書き込みがネット上に拡散しているのだ。フェイスブックには「中国人は来ないで」「会場の入場は許すな」といった、激しい投稿が相次いだ。入場禁止を求める書き込みは、ツイッターで数千回リツイートされた。
過熱する中国人排除の動きに、さすがにメディアにも批判的な報道が増え、明洞の商店では「中国人立入禁止」の張り紙を「武漢加油!(武漢頑張れ)」「韓中友好!」などと書いた紙に貼り替え始めた。だが依然として、ネット上では中国人排除の動きが燻り続けている状況だ。