日本では、映画が音楽コンサートやステージなどと同じライブ・エンターテインメントとして認知されてきたようだ。映画会社などで構成する日本映画製作者連盟(会長・岡田裕介東映会長)が先月、発表した令和元年の映画統計によると、興行収入(興収)は2611億円で過去最高。観客動員も、目標の2億人に迫る約1億9000万人を記録するなど、いま日本映画業界は活況を呈している。
■シネコンの増加
好調の主な要因の一つに、同一の施設内に複数のスクリーンを有する「シネマコンプレックス」(シネコン)が増えていることがある。シネコンは20年ほど前に本格的に増え始め、平成12年には映画館全体に占めるシネコンのスクリーン数は4割強だったが、昨年は9割近くを占めるまでになった。
また、映画館での楽しみ方も、最近は多種多様だ。3D映像による劇場公開で話題になった「アバター」(平成21年)が大ヒット。4D上映によりSF映画などはその臨場感を体感することも可能だ。
また、さまざまなタイプの応援上映も盛んになっている。「アナと雪の女王」(26年)や「ボヘミアン・ラプソディ」(30年)などの作品では、劇中歌の歌詞に字幕を付け、上映中に観客が一緒に歌うなど参加型の映画が人気だ。