世界的歴史家が警鐘「トランプが一線を超えた後、“アメリカ帝国”は衰退する」


【画像】世界的歴史家が警鐘「トランプが一線を超えた後、“アメリカ帝国”は衰退する」

──第2次世界大戦後、米国は自由主義的な世界秩序を築きました。しかしトランプ政権はそこから完全に離脱し、過激な主権主義の下で中国とロシアが築こうとしている独自の枢軸に加わろうとしているように見えます。今後の展開をどのように見ていますか?

米国が中ロの枢軸に同調しているとは考えていません。

トランプ2期目の前にバイデン政権が誕生した際、世界中のリベラル派は「大人たちが部屋に戻ってきた」と喜びました。米国は再び外交において同盟を尊重することを目指しましたが結局、それは悲惨な結果に終わりました。

バイデン政権下において2020年には存在しなかったロシア、中国、イラン、北朝鮮を結びつける枢軸が形成され、同盟国はひどく失望しました。2003年のイラク戦争をめぐる「悪の枢軸」とは異なり、この枢軸は実際に存在しています。関与する国々は経済的にも軍事的にも協力関係にあります。

米国はどこで間違ったのでしょうか?

まず2021年に、アフガニスタンにおける抑止力が崩壊しました。その後、2022年にロシアのウクライナ侵攻を許し、さらに2023年にはハマスとイスラエルの軍事衝突が起きて状況は悪化しました。

つまりドナルド・トランプが米大統領に返り咲いたのは、「失敗した民主党政権に対する国民の回答」と捉える必要があります。これは1979年にイランで起きた米国大使館占拠事件の後、米国民が当時のカーター大統領を拒絶し、レーガン政権が誕生した状況と少し似ています。

トランプの再選は、中国、ロシア、イラン、北朝鮮にとってはむしろ悪いニュースだと思います。

プーチン大統領の望み通りにウクライナとの戦争が終わるとは思えませんし、仮に終わったとしてもいまはイランに大きな圧力がかかっています。中国も高関税に苦しんでいます。北朝鮮の「リトル・ロケットマン」も、トランプからのラブレターを受け取ることはないでしょう。



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