「犯行に大麻の影響」弁護側の精神科医が鑑定結果を否定 相模原殺傷第13回公判





植松聖被告

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年7月、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(30)の裁判員裁判の第13回公判が10日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれ、植松被告を診断した弁護側証人の精神科医が出廷。犯行当時の被告は「大麻精神病の状態だった」と証言、大麻の影響はないとした精神鑑定結果を否定する考えを示した。

 診断した静和会中山病院院長の工藤行夫氏は、植松被告が犯行の約1年前から大麻の使用頻度が増え、会員制交流サイト(SNS)で過激な主張を発信したり自身を「選ばれた存在」と語るなど、異常な行動が際立つようになったと指摘。

 幻聴や被害妄想といった症状が認められ、大麻による高揚感が「障害者を殺す」という発想などに影響を与えたとした。

 工藤氏は「(それまでと)明らかに不連続で異質な状態。この変化が自然に生じたとは考えられない」とも指摘、植松被告が現在も障害者に対する差別的な発言を続けていることから、大麻精神病の状態が持続している可能性も示唆した。

 7日の前回公判では精神鑑定を行った東京都立松沢病院の大沢達哉医師が出廷し、犯行に大麻が及ぼした影響について否定的な見解を示していた。



Source link