【主張】武漢で邦人死亡 正確な情報開示を求めよ

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 中国湖北省武漢市で8日、新型コロナウイルスの感染による肺炎が疑われた60代の日本人男性が死亡した。

 安倍晋三首相は「ご冥福を祈りたい。大使館を通じて、ご家族を支援していく」と述べた。痛恨の事態である。

 もっと早く、国内に移送して万全の治療にあたることはできなかったか。詳細な検証が必要だ。そのためにも、中国側に正確な情報の開示を求めるべきである。

 男性は武漢市に滞在していた1月16日に発熱し、22日から入院した。当初から新型コロナウイルスの感染が強く疑われたが、入院先の医療機関は確定的な判断をしておらず、死因は「ウイルス性肺炎」と通知された。

 関係者によると、男性は複数のウイルスに感染しており、どのウイルスが症状を悪化させたのかは不明とされていた。

 ところが、中国外務省は10日になって一転、男性が「新型ウイルスに感染していたことを確認した」と発表した。

 確認の経緯も分からず、情報の混乱は致命的である。

 日本人男性の死亡が中国政府が日々発表している「新型コロナウイルスによる中国本土の死亡者」や、4万人を超える「感染者」に含まれていたかどうかも不明のままである。同様に、感染の確定前に死亡に至ったケースが相当数あったのではないか。そう疑わざるを得ない。

 加えていえば、中国国内の「感染者」数は、あくまで感染が確認された患者の数である。新型コロナウイルスの感染は、無症状の人からも認められることがチャーター便帰国者の検査などからも分かっている。発表数字の向こう側に、膨大な感染者の実数があることも疑わなくてはならない。

 いたずらに危機をあおることは戒めなくてはならないが、正しく怖がるためには、正確な情報が必要である。おそらく中国国内、特に湖北省の現場では、処理能力を超える感染拡大に調査が追いつかないのだろう。

 習近平国家主席は7日、トランプ米大統領との電話会談で、新型肺炎対策に中国は「打ち勝つ自信と能力がある」と述べた。

 だがもはや、メンツにこだわっていられる状況ではない。国際機関や外国専門機関の助力を積極的に求める必要がある。

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