【カイロ=佐藤貴生】イラン革命から41年となる11日、国内各地で式典やパレードが行われた。首都テヘランではロウハニ大統領が演説し、イラン核合意を離脱したトランプ米政権が2018年に再開した制裁について、「最も厳しい制裁で国民には時につらい日もあったが、困難に打ち勝ちつつある」と述べ、米政権への対抗姿勢を強調した。
イラン国営メディアなどが伝えた。ロウハニ師は演説で、1月初旬にイラクで米軍によって殺害された革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官に触れ、数日間にわたって行われた葬儀で、国民が声を一つにして対米批判を展開したと振り返った。
イランでは昨年11月、ガソリン値上げを機に大規模な反政府デモが起きたほか、今年1月にはウクライナ機撃墜をめぐってもデモが発生。指導部には式典や行進を通じて国民の団結をアピールし、求心力を回復する狙いがある。
パレードはテヘランのほかイスラム教シーア派の聖地がある北東部マシャドなどで行われ、米国やイスラエルを非難するプラカードを掲げる人が目立った。イランでは1979年2月11日にパーレビ王制が崩壊し、ホメイニ師らシーア派の法学者が実権を握った。