大阪市が13日に発表した総額1兆7700億円の令和2年度一般会計当初予算案。松井一郎市長にとって就任後初の予算編成は、前年度に続き「大阪の成長」を掲げ、2025年大阪・関西万博や統合型リゾート施設(IR)誘致に向けた施策の展開を加速させる。増加する虐待相談に対応するため、鶴見区に児童相談所を新設。各校の学力状況に応じた支援事業も進め、子育て・教育環境の向上に力を入れる。
歳入から歳出を差し引いた収支不足は30億円の見通しで、前年度から74億円の収支改善となった。市の不用地売却や財政調整基金の取り崩しなどで補(ほ)填(てん)する。
一般会計の歳入では、家屋の新増築などにより固定資産税や都市計画税が増えた一方、税制改正や企業収益の減少により市税収入は5年ぶりの減少に。前年度比0・9%減の7420億円となった。
歳出は、職員の退職手当の減少により人件費が0・3%減。淀川左岸線(2期)事業費などに充てるため投資的経費は14%の増加となった。
市の借金にあたる市債残高(一般会計)は、令和2年度で2兆5864億円となる見込み。将来、国から交付税として措置される臨時財政対策債を除くと1兆7159億円となり、16年連続で減少となる。
今後の長期的な収支不足について、市財政局は「補填財源に頼らず、予算を編成するのが大原則。できるだけ早期に収支を均衡させないといけない」とした。