【台北=田中靖人】台湾の国防部(国防省に相当)は15日、参謀総長ら8人が死亡した1月のヘリ墜落事故について、天候と地形、人的要因の3つの複合要因によるものだとする暫定的な調査結果を発表した。
墜落した多用途ヘリUH60Mのブラックボックスを製造元の米国に送って解析した結果、機体に異常はなかったことが確認された。
国防部によると、事故機が台北を離陸した後、目的地の北東部・宜蘭県付近で急速に雲が発達。同機は目視飛行で上空の雲を避けて飛行していたが高度が下がり過ぎ、航路沿いの雲に隠れた山の峰に衝突した。操縦士は墜落直前まで、台北の管制塔と通常の交信をしていた。
空軍は今後、同型機の一部に気象レーダーを追加装備するという。
事故機は1月2日、沈一鳴(しん・いつめい)参謀総長(当時)らを乗せ、春節(旧正月)前の慰問のため山中のレーダー基地に向かっていた。