[ロンドン 2日 ロイター] – 欧州では2日も初夏の熱波が複数の地域を襲い、スペインで4人、フランスで2人、イタリアで2人が死亡した。健康警報が発令されたほか、森林火災が発生、スイスの原子力発電所の原子炉が停止されるなど、事態は一段と深刻化している。
スペイン当局は、カタルーニャ州で前日に発生した山火事で2人が死亡し、エストレマドゥーラ州とコルドバ州でも熱波に関連した死者が出たと発表。フランスのエネルギー大臣は、2人が死亡、300人が病院に搬送されたと述べた。
イタリアは18都市に最高レベルの「赤色」猛暑警報を発令。また、ドイツの一部地域では、気温が今年最高となる40度に達するとの予報が出された。
トルコでは今週初め、複数の山火事の発生により5万人以上が一時避難を余儀なくされたが、火災はほぼ鎮火されたと発表した。一方、スペインのカタルーニャ地方で2日に発生した火災では、複数の農場が焼失し、鎮圧されるまでに延焼面積は約40キロに及んだ。
スイスの電力大手アクスポは2日、河川水温の上昇によりベツナウ原子力発電所の原子炉1基を停止し、もう1基の出力を半減した。原子力発電所では水が冷却などに使われるため、水温の推移を監視しながら運転制限が継続される見通し。
アリアンツ・リサーチは報告書で、猛暑は同地域の経済成長に影響を及ぼす可能性が高く、2025年には経済成長が0.5%ポイント鈍化する見通しだと指摘。気温が32度を超える1日の経済的損失はストライキが半日続いた場合に相当するとした。