東芝、子会社の架空取引で決算修正 東証1部復帰へ課題も





東芝本社ビル=東京都港区(早坂洋祐撮影)

 東芝は14日、子会社の東芝ITサービス(川崎市)で架空取引が発覚した問題で、計435億円の売上高が過大計上されていたと公表した。平成27年11月~令和元年7月の26件で、過大計上に伴うマイナス影響を反映させた元年4~12月期連結決算を同日、発表した。同社は平成27年に不正会計が発覚して以降、企業統治改革に取り組み、その成果の一つとして東証2部から1部への復帰を目指しているが、課題を残した格好だ。(桑原雄尚)

 架空取引は、商品やサービスをやり取りせず、帳簿上だけで売買を装う「循環取引」で、ITサービス企業のネットワンシステムズが主導し、東芝ITサービスのほか日本製鉄子会社の日鉄ソリューションズなど複数の企業が関与。各社の社内調査によると、ネットワンの第1営業部の課長級のマネジャーが単独で計画し、他社は架空取引との認識がなく「巻き込まれた」などとしている。マネジャーは架空取引を計画した理由を「大規模な赤字を出した第1営業部の存在感を上げるため」と説明しているという。

 東芝も昨年12月から社内調査を実施。調査結果では「東芝ITサービスの役職員による主体的な関与は認められず、組織的な関与も認められない」としたほか、「東芝ITサービスが架空・循環取引だったことを認識していたと証明する直接的な証拠も発見されなかった」と認定した。

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