ドイツで日中、日露外相会談 中国側と習主席の国賓訪日「準備進める」で一致 ロシアとは近く次官級協議





会談に臨む茂木外相(右端)と中国の王毅国務委員兼外相(左端)=15日、ドイツ・ミュンヘン(共同)

【ミュンヘン=三井美奈】ドイツを訪問中の茂木敏充外相は15日、中国の王毅国務委員兼外相、ロシアのラブロフ外相とそれぞれ2者会談を行った。王氏との会談では、4月に予定される習近平国家主席の国賓訪日について、連携して準備することで一致した。

 茂木氏は記者会見で、新型コロナウイルス感染対策をめぐり、日中両国が「引き続き緊密に連携することで一致した」と述べた。王氏に対し、湖北省に日本政府が派遣するチャーター機の第5便で、希望する在留邦人を全員帰国させるため、中国側の支援を要請したと明らかにした。

 王氏は、日本人の安全のために全力を尽くしたいと発言。日本のこれまでの支援に感謝を表明した。習氏の国賓訪日については、「ぜひ実現したい。日中関係を新たな高みに持っていきたい」と述べたという。中国で新型コロナウイルス感染対策が最重要課題となる中、習氏の訪日は難しくなるとの見方が出ていた。

 一方、日露外相会談では、北方領土問題と日露平和条約締結交渉が主な議題となった。茂木は「フェーズ(局面)は変わってきている。ロシア側とは原則論を闘わせるということではなく、より前向きな話し合いに入っている」と述べ、何らかの手応えがあったことを示唆した。日露外相は、速やかに次官級協議を開催することで合意。日本側はラブロフ氏の早期訪日を招請した。

 会談では、北方領土での日露の共同経済活動についても協議された。観光やごみ処理などのパイロット・プロジェクトを今年、本格化させることで合意した。

 両会談は14~16日までドイツで開催された「ミュンヘン安全保障会議」にあわせて行われた。



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