【野党ウオッチ】主要野党の中途半端な審議拒否、「書面回答」は国会質疑の否定

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野党統一会派に所属する山井和則衆院議員(春名中撮影)

野党統一会派に所属する山井和則衆院議員(春名中撮影)

 立憲民主党など主要野党がちぐはぐな国会対応を繰り広げている。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大に国民的関心が集まっているが、衆院予算委員会ではスキャンダル追及に絡めた中途半端な審議拒否を繰り返し、国会の権威を傷付けるような言動さえみせているのだ。

 「書面でこちらが正式に出しているのだから、それを否定するのであれば書面を出せば簡単ではないか。書面を出せないというのならば水掛け論になるので、これ以上は審議できない」

 野党統一会派に所属する山井和則衆院議員は17日の衆院予算委で、安倍晋三首相にこうたんかを切って退席した。主要野党の議員も山井氏の後を追って全員が部屋を出た。

 山井氏が怒ったのは、首相主催の「桜を見る会」前日の夕食会をめぐり、会場の1つとなった「ANAインターコンチネンタルホテル東京」(東京)が野党側に答えたとする内容と、首相の説明が異なったためだ。

 立民の辻元清美衆院議員は同日の質疑で、ホテル側に問い合わせた結果、平成25年以降の宴会などについて「主催者に見積書や明細書を発行しないことはない」と回答があったと主張。「明細書はない」としてきた首相の説明との矛盾点を追及した。

 首相は辻元氏の質問が終わった直後の休憩時間に、自身の個人事務所がホテル側に確認したところ「(辻元氏には)一般論で答えたもので、個別の案件は『営業の秘密』に関わるため回答に含まれていない」との答えが返ってきたと説明。個別の商取引の場では、明細書がないケースもあることをにじませた。

 この回答を聞いた山井氏は、首相が口頭でホテル側の意向を代弁しても信用できないと主張。ホテル側から回答を書面で提出するよう求め、受け入れられないとして審議を一時中断させたのだ。

 山井氏は退席直後、記者団の前で「書面を出せ!」などと繰り返した後、「首相が口頭で『私を信用してください』と言っても、申し訳ないが、信用できない」とも訴えた。

 しかし、審議は同日中に再開された。与党が「書面での回答も含めて対応を協議したい」と申し出て、野党側がすんなり受け入れたからだ。

 菅義偉官房長官は翌18日の記者会見で「首相が答弁した通りだ。国会で答弁することは議事録に残る。責任をもって答弁している」と強調。書面での回答にこだわり、審議をボイコットした野党を批判した。。

 国会で与野党が議論を戦わせながら、政策課題を浮き彫りにするのが各議員の役割だ。ただ、なぜか今の主要野党は「書面を出せ!」などと、論点がずれた追及に走っている。

 自民党の国対幹部は「国会は言論の府だ。書面での回答が定着したら、国会で答弁する重みはどうなるのか。逆に書面でやり取りしても議事録に残らない」と批判する。

 野党側の調査結果と首相の答弁が食い違い、「首相は嘘をついているのではないか」と疑問をぶつけるのはいい。権力を監視する野党議員の重要な仕事でもあるだろう。

 しかし、野党側が国会審議を数十分~数時間拒んだり戻ったりを繰り返す言動をみると、本気で首相の答弁の整合性を正そうとしているのか疑いたくなる。19日の衆院予算委でも、主要野党は「桜を見る会」をめぐる審議で、17日と似たようなやり取りを続けた。主要野党は場当たり的に審議を中断しているようにしか映らない。

 仮に政府側が虚偽答弁を行い、国会の権威が貶められていると真に思うならば、数時間退席して国会審議を止めるような小手先の抵抗は止めるべきだ。徹底的な審議拒否も1つの手段だろう。

 ただ、中途半端な抵抗戦術の影響をほとんどうけず、令和2年度予算案の審議は、ほぼ与党の筋書き通りの日程で流れている。

 与党関係者は主要野党の国会での態度をこう嘆く。

 「与党は楽だが、野党の体たらくは国民にとって不幸ではないか」(政治部 千田恒弥)

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