【ポトマック通信】せきをしたら一人

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新型コロナウイルスの拡散に伴い、閑散とする孔子廟。日本の名所は・・・=2月19日、江蘇省南京(ロイター)
新型コロナウイルスの拡散に伴い、閑散とする孔子廟。日本の名所は・・・=2月19日、江蘇省南京(ロイター)

 米大統領選の党候補指名争いが始まり、毎週のように全米各地に出張に行っている。多くの人が行き交う空港に足を踏み入れると、どうしても新型コロナウイルスのことが頭をよぎる。

 中西部アイオワ州での党員集会の取材を終え、ワシントンに戻るため経由地のシカゴの空港待合室で座っていたとき、隣に米国人の若い女性が「空いてますか」と笑顔で語りかけながら座ってきた。「どうぞ」と答えた後、何気なくせき払いをしたら、女性の顔から笑みが消え、さっと立ち上がりいなくなった。

 俳人、尾崎放哉の代表句「咳をしても一人」ではないが、「せきをしたら一人」になった次第だ。

 当時は2月初頭。日本での感染は注目されていなかったから、恐らく中国人に間違えられたのだろう。同時期に日本人の友人が別の場所でせきをしたとき、「中国人か」と聞かれて日本人だと答えたら安心されたと話していたから、そうした区別の良しあしは抜きにして、その頃はまだ「問題は中国限定」との認識が強かったのだと思う。

 しかし、例のクルーズ船の大量感染で、米国でも日本の感染症対策に疑問の声が持ち上がっている。中国に加え日本までもが「せきをしたら一人」の孤独と悲哀を味わわないためには、ここからの取り組みが正念場だ。(黒瀬悦成)

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