「人命優先の防災訴えて」 震災遺族、報道志望学生に


 宮城県女川町の七十七銀行女川支店に勤務していた長男を東日本大震災で失い、語り部活動をしている田村孝行さん(59)と妻、弘美さん(57)が23日、支店跡近くの慰霊碑前で、報道業界を志望する大学生10人に「記者になったら人命優先の事前防災が重要だと訴えてほしい」と呼び掛けた。

 長男の健太さん=当時(25)=は支店長の指示で2階建ての支店屋上に避難し津波にのまれた。田村さん夫妻は当時の写真や地図を示し、支店の近くに高台があったことを説明。孝行さんは「企業管理下の事故。銀行は遺族に向き合ってほしい」と力を込め、弘美さんは「助かるはずの命だった。語り継ぐことで他の命を守れる」と伝承の重要性を訴えた。

 仙台市出身の上智大3年、三品(みしな)麻希子さん(21)は「遺族の悲しみと、その背景にある社会の問題点を伝えられる記者になりたい」と話した。



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