ベルギー北部アールストで23日行われた伝統のカーニバルの一部内容が反ユダヤ的だとして、国内外の批判を浴びている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されていたが、昨年も同様の批判があり、同12月に登録抹消され、催し自体の中止を求める声も出ていた。欧米メディアが伝えた。
同カーニバルは風刺を込めた山車のパレードで知られ、長いもみあげの正統派ユダヤ教徒がダイヤモンドを持っている山車や、ユネスコを皮肉る仮装行列が登場。ベルギーや英国の王室、英国の欧州連合(EU)離脱をからかう山車もあった。
イスラエルのカッツ外相は開幕前の20日にツイッターで「反ユダヤ的な出し物を容認するベルギーは、西欧の民主主義国として恥を知るべきだ」と非難。ベルギーのウィルメス首相は「わが国の価値観や名声を傷つけている」と訴えた。
一方、アールストの市長は「反ユダヤ主義や人種差別とは思わない」と反論、表現の自由や創造性の範囲内と主張した。(共同)
