劇場版「鬼滅の刃」、公開10日で興収128億円突破!ひろゆき氏が指摘する成功要因と日本映画界の課題

2024年7月18日に公開された映画「劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」が、公開からわずか10日間で興行収入128億円を突破する驚異的なスピードでヒットを記録しています。この勢いは、国内歴代最高興収404.3億円を達成した前作「無限列車編」を上回るペースであり、令和の映画史に新たな金字塔を打ち立てたと言えるでしょう。この歴史的な成功の背景には、一体どのような要因があるのでしょうか。

巧みなプロモーション戦略が牽引

「鬼滅の刃」映画の快進撃は、単なる原作人気やアニメの映像美だけで語れるものではありません。サブカルライターの蒼影コウ氏が分析するように、そこには緻密に練られたプロモーション戦略が存在します。例えば、本予告映像は公開の1カ月前まで意図的に公開せず、ファンに期待感と飢餓感を抱かせる戦略がとられました。その後、過去作の七夜連続地上波放送や、多様な情報の立て続けの解禁によって、作品への話題性が最大限に引き上げられました。

また、「無限城編」では3種類のポスターが用意された点も注目に値します。敵キャラクターである猗窩座(あかざ)単独のポスターは「無限列車編」を観た観客層へ、鬼殺隊の「柱」が勢ぞろいしたポスターはそれぞれの推しキャラクターを持つファン層へ、そして主人公・炭治郎のポスターは子ども向けのヒーロービジュアルとして展開されました。これにより、各ターゲット層に合わせた的確なメッセージが伝わり、幅広い層への訴求に成功しています。

ひろゆき氏が語る「鬼滅の刃」成功の本質

映画館に掲示された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の巨大広告映画館に掲示された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の巨大広告

そんな中、実業家のひろゆき氏が自身のYouTubeチャンネルで語った「鬼滅の刃」に関するコメントがネット上で大きな注目を集めています。ひろゆき氏は、「週刊少年ジャンプ」連載当時、漫画版「鬼滅の刃」はそこまで突出した話題性を持っていなかったと指摘。その上で、アニメ化による映像展開こそが爆発的な情報拡散の起点となり、コンテンツ全体の成功に直結したと分析しています。

さらにひろゆき氏は、原作漫画が無理にシリーズを引き伸ばすことなく完結した点を高く評価し、アニメも最終章までの映像化が約束されていることが観客に安心感を与え、躊躇なくチケット購入に繋がったとも述べています。「鬼滅の刃」の成功は、単に人気コンテンツを映像化するだけでなく、その完結性や情報の出し方が観客の信頼を獲得した結果とも言えるでしょう。

日本映画界の「致命的弱点」と提言

一方で、ひろゆき氏は「鬼滅の刃」の大ヒットの裏に見え隠れする日本映画界の「致命的弱点」についても言及しています。彼が問題視するのは、原作がある実写版映画における、俳優やタレントの人気に過度に依存した制作体制です。

YouTubeライターによると、ひろゆき氏は、企画段階から「人気アイドルが出演すれば一定数の固定客が見込める」という商業的な計算が優先され、脚本や演出よりも収益予測が作品の方向性を決めてしまう現状を指摘しました。例えば、「10万人のファンを持つアイドルを5人集めれば50万人が映画を鑑賞し、1人2,000円で1億円の興収が確定する。さらに友人を連れてきたり、スポンサーがつけば売上は積み上がる」という算段です。

ひろゆき氏は、こうした状況が「キャストに合わせて脚本を作る」という悪循環を生み出し、結果として作品の面白さを損ねるが、興行成績は安定すると解説しました。制作費を抑えれば黒字化が容易になるため、「人気俳優×人気原作」という安全策が常態化し、映画製作者が自由な発想で創作を行うことが難しくなっていると警鐘を鳴らしています。「鬼滅の刃」の成功が示す革新性と、既存の日本映画界が抱える課題は、今後のコンテンツ産業のあり方を問いかけるものとなっています。

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