東京メトロは25日、トンネル内の検査で導入し始めたドローンによる点検の様子を都内の研修施設で報道各社に公開した。トンネル内部はGPS(衛星利用測位システム)の通信が途絶えるため操縦が地上で行うより難しく、こうした環境でドローンを実用化した例は鉄道業界で初という。
ドローンは研修施設に建設された高さ5・5メートルのトンネル内で飛行した。トンネル上部に設けられた換気用の通風孔などの動画を撮影しコンクリートの剥離や傷などがないか確認。構造上の問題に発展しないよう備える。
機体の大きさは22センチ、直径40センチの球状のフレームで覆われ、高度50メートルまで飛行できる。1台30万円で、2台用意した。今月6日から半蔵門線の点検で使用しており、令和2年度からは丸ノ内線で導入する。今後、全路線に広げる予定だ。
東京メトロは、「目視に変わって映像を取得することができ、検査の安全性や質の向上を図ることができる」(工務部土木課)と期待を寄せている。