島根県が設置した竹島問題研究会の座長を務める下條正男・拓殖大教授は、第4期(平成29年5月~令和2年3月)の研究成果をまとめた最終報告書を丸山達也知事に提出した。
同会は学識経験者ら14人で構成。竹島問題に関する客観的な研究をはじめ、新学習指導要領を踏まえた学習の推進などをテーマに活動し、国内外に研究成果などを発信してきた。
最終報告書では、竹島が日本の領土であることを裏付ける新たな研究成果を掲載したほか、下條座長が韓国側の日本批判に対する反論を執筆。また、学習指導要領の改定に伴い今後、竹島が正式に学校教育で取り扱われることを受け、同会が独自に作成した学習指導案についても載せた。
下條座長は「島根県は政府に代わって、韓国側の主張に反論し続けてきた」と同会の活動について総括。「韓国と対立するのではなく、それぞれの考えをぶつけ合う対話の重要性を一貫して訴えてきたが、最近になって韓国側に理解者が現れるなど、ようやく芽が出始めている感もある。今回の最終報告書でも、韓国側から反論が出るのを待ちたい」と話している。
また、4期連続で同会の座長を務めてきた下條座長は、今期限りで勇退すると表明した。県によると、第5期の同会発足については白紙という。
最終報告書は1500部を発行し、県内市町村、関係省庁などに配布する予定で、3月には県のホームページ上でも公開する。