ヤマハ音楽振興会など約250の音楽教室事業者が、日本音楽著作権協会(JASRAC)に、教室から著作権使用料を徴収する権限がないことの確認を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。佐藤達文裁判長は、JASRACに徴収権限があると認め、教室側の請求を退けた。
著作権法は、公衆に聞かせる目的で演奏する権利は著作者が持つと規定している。訴訟では、音楽教室での教師や生徒の演奏が「公衆」に「聞かせる目的」といえるかが争われた。
教室側は、音楽教室での演奏が規定には該当せず、「徴収は音楽文化の発展に影響を及ぼす」と主張。JASRAC側は、使用料が発生するとした上で、徴収が「新しい作品の創作につながる」としていた。
JASRACは平成29年2月、著作権を管理する楽曲の使用料を徴収すると表明。使用料を年間受講料収入の2・5%などと定め、原告以外の一部事業者から既に徴収を始めている。