元朝日記者の慰安婦記事訴訟、東京高裁も控訴棄却





控訴審判決後に記者会見する元朝日新聞記者の植村隆氏=3日午後、東京・霞が関(大竹直樹撮影)
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 「慰安婦記事を捏造(ねつぞう)した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏(61)が、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授(63)に計2750万円の損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の控訴審判決が3日、東京高裁であった。白石史子裁判長は、植村氏の請求を棄却した1審東京地裁判決を支持し、植村氏側の控訴を棄却した。植村氏側は上告する方針。

 朝日新聞記者だった植村氏は平成3年8月、韓国人元慰安婦とされる女性の証言を初めて掲載した。西岡氏は記事について「意図的に事実を捏造した」と批判する論文を発表し、26年の雑誌「週刊文春」では「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」との見出しを付けた記事で同趣旨の指摘をした。

 白石裁判長は判決理由で「記事の表現は植村氏の社会的評価を低下させる名誉棄損に該当する」とする一方、「大学教授としての適格性などについて問題提起すること自体は、表現の自由の正当な行使の範囲内」と指摘。法的利益を侵害する不法行為には当たらないと判断した。

 判決後に会見した植村氏は「極めて不当な判決だ。法廷では負けたが、負けた理由に納得できない」と話した。文芸春秋は「当然の判決と受け止めている」、西岡氏は「公正な判断が下されたと考える。司法でなく言論の場で議論していくことを強く望む」とそれぞれコメントした。



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