公正取引委員会は5日、高血圧症の治療薬「カルバン錠」の販売をめぐり価格カルテルを結んだとして、独禁法違反(不当な取引制限)で製薬会社の鳥居薬品(東京)に、再発防止を求める排除措置命令と287万円の課徴金納付命令を出した。日本ケミファ(東京)もカルテルに加わっていたが、違反を自主申告したため処分を免れた。
公取委によると、2社は遅くとも平成26年3月以降、卸売業者向けの販売価格を話し合いで決定。平成26、28、30年の薬の価格改定に合わせ、同額かほぼ同額になるよう調整していた。値崩れを防ぎ利益を確保する目的だったという。
カルバン錠は心拍を抑えたり、血管を広げたりすることで血圧を下げる作用がある。国内では両社しか取り扱っておらず、市場規模は2億円超。