9日の参院予算委員会での主なやり取りは次の通り。
【新型コロナウイルス】
武見敬三氏(自民)「感染しても300人を超える人が治療を受けて日常生活に戻っている。こうした情報を発信すべきだ」
安倍晋三首相「7日時点で325人が回復して退院している。一時重症状態だったが、中程度に改善された人も20人程度いる」
武見氏「世界に感染者の乗ったクルーズ船がある。日本の経験が共有されることが大事だ」
厚生労働省局長「7日の電話会議で加藤勝信厚労相から米国の保健福祉長官にダイヤモンド・プリンセス号の対応で得られた知見や経験を直接伝えた」
蓮舫氏(立憲民主)「中韓両国の入国制限が始まったが、科学的根拠はあるのか。なぜイタリアは含まないのか」
首相「韓国は現在も感染者が急増している。中国は感染者の増加自体は減少傾向にあるが、この1、2週間が正念場だと専門家の提言を受ける中、こうした措置を取った。外務省とも相談したうえで判断した。イタリアを対象とすべきか議論を行っているところだが、必要であれば躊躇(ちゅうちょ)なく判断したい」
伊藤孝恵氏(国民民主)「内閣官房や厚労省が特定の番組の内容に反論ツイートを投稿した」
首相「誤解を招きかねない情報に関連し、関係省庁が政府側の情報や考え方、事実関係を発信した」
【経済情勢】
木戸口英司氏(国民民主)「日経平均株価が約1年2カ月ぶりに2万円台を割り込んだ」
黒田東彦日銀総裁「感染症の拡大で経済の先行きに対する不信感が強まり、投資家のセンチメント(心理)が非常に悪化している。株価が大幅に下落、長期金利も低下、為替市場では円高が進むという不安定な動きが続いている」
柴田巧氏(日本維新の会)「軽減税率を全商品に適用する。あるいは10兆円規模の補正予算など大きな財政支出をすべきではないか」
首相「日本国内だけではなく、世界経済に対する影響などを十分に注視しながら、そうしたインパクトに見合うだけの経済財政運営を行っていく」