賃上げ鈍化、新型コロナ、消費税増税と日本経済に3つの“逆風”

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東京都千代田区・丸の内のオフィス街のビル群=本社チャーターヘリから(宮崎瑞穂撮影)

東京都千代田区・丸の内のオフィス街のビル群=本社チャーターヘリから(宮崎瑞穂撮影)

 11日に集中回答日を迎えた令和2年春闘は、新型コロナウイルスの感染拡大で企業業績の下振れ懸念が強まり、賃上げを抑制する動きが目立った。消費税増税に伴う駆け込み消費の反動減などで昨年10~12月期の実質成長率が大幅なマイナスとなり、2年1~3月期もマイナス成長が予想される中、所得環境の悪化は個人消費の失速につながりかねない。日本経済は賃上げ鈍化、新型コロナ、消費税増税という3つの“逆風”にさらされている。

 「経済の下押しリスクを乗り越えるためにも、引き続き賃上げの流れの継続が重要だ」。5日に開かれた新型コロナの対応などを議論した政府の未来投資会議で、安倍晋三首相はこう強調した。

 安倍首相はデフレ脱却を目指し、平成26年から令和2年春闘まで7年連続で賃上げを求めていた。賃上げで個人消費を刺激し経済成長につなげる思惑からだ。ただ、今回、30年春闘で求めた「賃上げ率3%」という具体的な数値目標については、昨年の春闘に続き示さなかった。産業界による自主的な賃上げを目指す中西宏明経団連会長に配慮したものとみられる。

 消費税増税や米中貿易摩擦の影響などで昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を考慮した実質で年率7・1%減となった。さらに新型コロナの拡大で、令和2年1~3月期も2四半期連続のマイナス成長が懸念されている。

 それでも政府は、2月の月例経済報告で国内景気の判断を「緩やかに回復している」で据え置いた。人手不足などを背景に、雇用や所得環境が底堅いと判断しているためだ。

 しかし、既に雇用や所得環境にも変調の兆しが見え始めている。

 求職者1人当たりの求人数を示す1月の有効求人倍率は1・49倍で、前月から0・08ポイント低下した。高水準であることには変わりないが、1・50倍を下回るのは2年8カ月ぶりだ。また、基本給や残業代などを合わせた1人当たりの昨年の実質賃金は0・9%減と、2年ぶりのマイナス。名目賃金の伸び率も、欧米などと比べ日本は低い。

 賃金が増えて消費が拡大することで、企業業績も改善し、再び賃金の上昇につながる-。こんな日本経済の好循環を政府は描いてきたが、今春闘で低水準の回答が相次いだことで、こうしたサイクルが滞る恐れも出てきた。(大柳聡庸)

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