【東日本大震災】福島の地元紙、滋賀の図書館に届く 必要とする人に





福島県の地元紙を棚にしまう滋賀県の草津市立南草津図書館の職員

 滋賀県の草津市立南草津図書館には週に1~2回、福島県の地元紙「福島民報」と「福島民友」が届けられている。滋賀で避難生活を送る東日本大震災の被災者らに故郷の情報を届け、将来の帰還につなげる福島県の取り組みだ。震災から9年がたち、送付を受ける図書館は減少したが、同図書館は「必要とする人がいる限り閲覧できるようにしたい」としている。(花輪理徳)

 震災発生から9年を迎えた11日、南草津図書館に茶色の小包に入った福島民報と福島民友の朝刊が届いた。週に1~2回、福島県が買い上げた数日分の朝刊がこうして送られてくる。

 この日届いた9日付の朝刊1面には「あす避難指示先行解除」(福島民友)、「再起必ず果たす 震災9年を前に追悼式」(福島民報)など震災関連の見出しが並んでいた。同図書館では震災後の平成25年ごろから寄贈を受けており、今も週に数人が読んでいる。

 震災後、同様の取り組みは全国の図書館などでも行われているが、送付先は年々減少している。滋賀県内には現在も福島県からの避難者約70人が暮らしているが、大津市立図書館は閲覧者がほとんどいないことを理由に昨年3月に受け入れをやめ、南草津図書館と長浜市立長浜図書館の2館が受け入れを続けている。

 南草津図書館の川端恭子副館長は「震災の報道を通じて現地の空気感が伝わってくる。ぜひ手に取ってみてほしい」と話している。

 11日付の朝刊は週明けにも同図書館に届くという。



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