埼玉県警が昨年に受理したストーカーの被害相談件数が、統計のある平成12年以降で最多の1205件(前年比12件増)を記録した。会員制交流サイト(SNS)での付きまといなどの抑止を図る改正ストーカー規制法が29年に施行され、対象行為が拡大された影響があるとみられる。(飯嶋彩希)
県警のまとめによると、相談のうち87・3%は女性から寄せられたものだった。
加害者は81・0%が男性で、被害者との関係は「交際相手(元交際相手含む)」が45・5%、「知人、友人」が11・2%だった。他に「塾講師と生徒」「キャバクラ従業員と客」といったケースもあった。
相談内容(重複あり)は「付きまとい、待ち伏せなど」が606件で最も多く、「連続のメールや無言電話など」(517件)や「義務のない行為の要求」(489件)が続いた。
相談のうち事件化された案件の内訳は、ストーカー規制法違反容疑が64件、脅迫容疑が15件、住居侵入容疑が11件だった。
県警人身安全対策課の担当者は「ストーカー規制法改正に伴い、県警の態勢も充実してきている。悩みを抱えていたら早めに警察へ相談をしてほしい」と話している。
一方、昨年のドメスティックバイオレンス(DV)に関する相談件数は過去2番目に多い5164件(前年比454件増)だった。男性もDV被害の対象になると広く知られるようになったことを背景に、男性からの相談に限ると過去最多の1348件(同212件増)を記録した。