【安倍政権考】NSS経済班が来月発足 背景にあるのは中国の台頭、米国と連携し対抗へ





北村滋国家安全保障局長

 政府の外交・安全保障政策の司令塔を担う国家安全保障局(NSS)に4月、経済分野を専門とする「経済班」が発足する。背景にあるのは、巨額の資金力と最先端技術を武器に軍事・経済の両面で世界の覇権をうかがう中国の台頭だ。安倍晋三首相には、経済班を軸に外交と安保、経済をそれぞれ担う各省庁の縦割りを排して官邸主導の態勢を強化し、中国に対抗する狙いがある。

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 「経済班、急いでやろう」

 昨年9月、NSS内で開かれた幹部会議で、警察庁出身の北村滋局長がこう指示を飛ばした。北村氏は第1次安倍政権で首相秘書官、第2次政権では内閣情報官を歴任してきた首相の最側近の一人。NSS内では、以前から経済班の必要性が検討されてきたが、北村氏が局長に起用され、実現に向けた動きが一気に加速した。「経済班の立ち上げは北村氏のイニシアチブが大きかった」(関係者)という。

 NSSは首相が議長を務める国家安全保障会議(NSC)の事務局として平成26年に発足した。外務、防衛など各省の「エース級」と呼ばれる専門性の高い職員約80人で構成し、「総括・調整班」「政策第1班(米国・欧州など)」「政策第2班(北東アジア・ロシア)」「政策第3班(中東・アフリカなど)」「戦略企画班」「情報班」の6班体制で運営する。

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