イタリア致死率8%の「なぜ」 高齢化に加え、院内感染原因か





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 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス感染による死者が世界最多となったイタリアで、死者の99%は感染前に別の疾患を抱えていたことが分かった。国の人口が高齢化する中、震源となった北部で院内感染が広がったことが、死者急増の原因とみられている。

 イタリア国立衛生研究所の17日の発表によると、感染による死者のうち、3つ以上の疾患を抱えていた人は49%。全く疾患がなかった人は0・8%にとどまった。死者の76%は高血圧で、36%は糖尿病にかかっていた。感染者の平均年齢は63歳だが、死者の平均は79・5歳と高い。

 最も感染が深刻な北部ロンバルディア州の医師は伊紙レプブリカで、「最初の患者は風邪と思って病院に来た。医師は対応後、十分消毒しなかった」と対応のミスがあったと認めた。1月時点で州内で肺炎患者が増えているとの報告があったといい、「ウイルス感染は1月には始まっていたのではないか」として、感染確認が遅れた可能性を示した。

 伊紙コリエレ・デラ・セラによると、20日までに、治療にあたった医師の14人が死亡。医療関係者の感染は約3千人にのぼった。

 イタリアの感染拡大は2月後半、ロンバルディア州とベネト州でほぼ同時に感染者が発覚したのがきっかけ。現在、ロンバルディア州はイタリア全土の感染者のほぼ半数を占め、拡散のスピードに大きな地域差がある。

 イタリアは65歳以上が人口の22%で、欧州連合(EU)加盟国で最多。高齢者人口の割合は日本に次いで、世界で2番目に高い。



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