東京都と歩調を合わせ、首都圏各県が26日、今週末の外出自粛要請を県民に呼びかけた。埼玉県の大野元裕知事が要請を行う判断材料となったのは、自ら分析した東京都やスペインでの新型コロナウイルス感染拡大の傾向だ。危機管理へのこだわりが人一倍強い大野氏は、外出自粛要請という選択肢を常に念頭に置き、カードを切るタイミングを慎重にうかがっていた。
25日夜、大野氏は東京都の小池百合子知事との電話会談に臨んだ。
小池氏が、都民に外出自粛を呼びかける考えを示すと、大野氏はこう言葉を返した。
「東京だけでは効果が限定的だ」
大野氏はこの夜、神奈川県の黒岩祐治知事とも電話で会談し、首都圏各県での連携を呼びかけた。
埼玉県内での感染確認者数は連日のように積み上がり続けていた。大野氏は「外出自粛は毎日考えていた」と明かす。経済圏、生活圏として極めてつながりが深い東京都が呼びかけを行う時こそが、最も適切な外出自粛要請のタイミングだと大野氏は判断した。
26日の記者会見で大野氏は、自ら作成した東京都と埼玉県の新型コロナウイルスの陽性者数の状況、スペインの陽性者数の推移のグラフを使いながら、外出自粛要請に至った経緯を説明した。