政府が近く決定する新型コロナウイルス感染症対策の「基本的対処方針」の修正案が27日、分かった。国内で感染者数が急増した場合に備え、重症者らへの対応を中心とした医療提供体制を整えるよう準備に入ることなどを盛り込んだ。
修正案は「爆発的な感染拡大を伴う大規模な流行につながりかねない状況にある」と指摘した。その上で全般的な方針として、クラスター(小規模感染集団)の封じ込めを通じて感染拡大の速度を抑制することや、重症者と死亡者の発生を最小限に食い止めるために万全を尽くすことなどを明記した。入院治療が必要ない軽症者らは自宅療養とする。
マスクや医薬品、医療機器など医療の維持に必要な資材の安定確保に努めるとともに、国産化の検討を進めることも盛り込んだ。
当初案では、緊急事態宣言下での外出自粛や施設の使用制限の要請・指示期間を「21日程度」などとしていたが、修正案には盛り込まれなかった。今後、緊急事態宣言を発出する際などに検討課題とする。
政府は27日、対策本部の有識者らによる諮問委員会を内閣府で開き、対処方針を大筋で了承した。政府は緊急事態宣言を発出するか慎重に検討する。緊急事態宣言をめぐり、安倍晋三首相は27日の参院予算委員会で「現時点で宣言を行うような状況までには至っていない」と説明した。