「飛鳥・藤原」世界遺産登録へ推薦書素案を提出


 奈良県は30日、世界遺産暫定リストに記載されている「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の推薦書素案を文化庁に郵送したと発表した。今後は国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する推薦書を本格的に練り上げていく作業に入り、最短で令和6年の世界遺産登録を目指すとしている。

 「飛鳥・藤原」は、極彩色壁画が見つかった高松塚古墳やキトラ古墳(ともに同県明日香村)、天皇の宮殿跡である藤原宮跡(同県橿原市)など20の資産で構成され、平成19年に暫定リストに記載された。素案提出までに13年の歳月を要したが、資産の大半が地下にある遺跡や古墳であり、ユネスコが重視する「顕著な普遍的価値」をどう打ち出していくかが難しかったという。

 素案では「飛鳥・藤原」の価値について、中国や朝鮮半島との国際交流の観点から「東アジアの文化と技術交流により、古代日本に一大変革を起こす」「東アジア諸国のうち国家形成の過程が明瞭にわかる無二の資産」-とPRしている。

 県地域振興部の建石徹次長は「昨年登録された(大阪府の)百舌鳥(もず)・古市古墳群などと、長いスパンのストーリーを世界遺産でつなげる夢を現実のものにしていきたい」と話している。



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