昭和45(1970)年の日航機「よど号」乗っ取り事件のメンバーの妻が、外務省から旅券(パスポート)の発給を拒否されたのは海外渡航の自由を保障する憲法に違反するとして、国に発給拒否処分の取り消しと330万円の損害賠償を求める訴訟を31日、東京地裁に起こした。
よど号事件は45年3月31日に発生し、この日で丸50年。共産主義者同盟赤軍派のメンバー9人が乗客・乗員を人質によど号を乗っ取り、北朝鮮へ渡った。現在も9人のうち4容疑者が北朝鮮に残っている。
妻の代理人によると、妻はメンバーの夫に会うため旅券を申請。これに対し外務省は平成30年5月、妻が事件の実行犯らと密接な関係を維持しており、「公安を害するおそれがある」として拒否処分を出したという。訴状では、妻の活動は4容疑者らの帰国を目的とし、「公安を害するおそれが客観的にあるとは認められない」と主張している。