香港政府、WHOに台湾問題質問したメディアを非難





林鄭月娥行政長官(AP)

 【香港=藤本欣也】香港政府が2日、世界保健機関(WHO)の幹部に台湾の加盟問題について質問した香港のテレビ局を、「一つの中国」原則に反すると非難し、論議を呼んでいる。

 政府が問題視したのは、香港の公共放送RTHKの記者が、WHOの事務局長補佐にテレビ電話でインタビューした内容の一部。

 新型コロナウイルスをめぐるインタビューの中で、記者が「WHOは台湾の加盟について改めて検討しますか」と質問したところ、事務局長補佐は約10秒沈黙した後で、「申し訳ない。聞こえなかった」「他の質問に移ろう」と発言。記者が台湾に関する質問を続けようとすると、突然、回線を切った。同補佐は、再び電話をかけてきた記者に「中国についてはもう話をした。中国の各地域はすばらしい仕事をしている」などと述べた。番組は3月28日に放映された。

 これに対し、香港政府は2日の声明で、インタビューの質問は中国が主張する「一つの中国」の原則や、公共放送の規則に違反するものだと非難。一方のRTHK側は、台湾を「国家」と表現していないと主張し、「報道の自由の侵害だ」「質問する自由もないのか」などと政府の対応を批判している。

 台湾は「一つの中国」原則を掲げる中国の妨害で、WHOに加盟していない。



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