【正論5月号】「戦時大統領」の評価が握るトランプ氏再選への道 産経新聞ワシントン支局長 黒瀬悦成

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新型コロナウイルスへの対応について会見するトランプ米大統領=25日、ワシントン(AP)
新型コロナウイルスへの対応について会見するトランプ米大統領=25日、ワシントン(AP)

 ※この記事は、月刊「正論5月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 トランプ大統領は再選できるのか-。11月3日に実施される米大統領選での最大の関心事は、この一点に尽きるだろう。

 そして大統領選の行方も、今やパンデミック(世界的流行)と化した新型コロナウイルスに左右される事態が明確となってきた。今年の米大統領選は、疫病が爆発的に流行した年に実施されるという過去に例をみない事態となる。それだけに、トランプ氏の命運を握る最大のファクターは、同氏が新型コロナ危機に適切に対応し、乗り切ることができるかどうかだ。

 新型コロナをめぐる目下の逆風は、いわゆるロシア疑惑やウクライナ疑惑絡みの弾劾騒動など、就任1期目で数多の難局を乗り越えてきたトランプ氏にとって最大の試練となるのは間違いない。

「ウイルス打倒なら株価急上昇」

 「これは戦争だ。私は自らを『戦時大統領』だと思っている。戦争には勝利を収めなくてはならない」

 トランプ氏は3月18日、ホワイトハウスでの記者会見で今回の危機を「戦争状態」と位置づけ、国民に団結を呼びかけた。

 この日、トランプ氏が「史上空前の最高値の更新」を自賛してきた株価(ダウ工業株30種平均)が1338ドル安の1万9898ドルとなり、同氏が大統領に就任した2017年1月20日(1万9827ドル)の水準まで下落した。

 株価を就任当時から3割以上も上昇させ、雇用を創出し、景気を完全回復させたトランプ氏にとり、経済状況の極端な悪化は自身の再選の可否につながる緊急事態だ。

 それ以前に、新型コロナ危機という国難を克服できるかは、世界唯一の超大国である米国を率いる大統領としての真価を問うものだ。トランプ氏の「戦時大統領」発言は、戦争や災害などの国家的危機に際しては、党派や政治的立場を超えて直ちに結束する性向が強い米国人気質を意識し、ともに立ち向かうことを呼びかけたものといえる。

 トランプ氏は、別の日の記者会見では「(新型コロナ)ウイルスを打倒できれば株価もロケットのように急上昇する」と強調。楽観的な態度と前向きの展望を示して国民に困難を乗り切る気力を与えたいとする同氏なりの配慮が読み取れる。

 ただ、トランプ氏に批判的な野党の民主党勢力や「主流派」と称される左派リベラル系メディアからは、トランプ氏が記者会見などでしばしば大ざっぱに事実関係を語ることなどに関し「根拠不明の発言は逆に国民を不安がらせている」とする批判も少なくない。

 米公共放送のNPRとPBS、調査会社マリストが3月13、14日に実施した全米世論調査では、84%が新型コロナに関し「公共衛生の専門家からの情報を信用できる」と回答した一方、トランプ氏からの情報を「信用できる」と答えたのは37%にとどまった。

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